株式会社スリーアップ・テクノロジー|本レポートはAI自動分析レポートの「見本」です。作業者名・数値はすべて架空のデモデータですが、構成・分析の深さは実際にお客様へ提出しているレポートと同等です。
AI自動分析レポート / 見本
作業者別バラつき分析
― 加工ライン 6名・4品種・3ヶ月 ―
基幹システムの日報と設備IoTの時系列データをAIが突合し、作業者ごとの加工スピード・段取り時間・不良率のバラつきがどこから来ているのかを分解しました。
結 論
- 加工そのものの速さ(サイクルタイム)の個人差は平均±8%以内。6名の腕に大きな差はありません。
- バラつきの主因は「作業者 × 品種」の組合せです。段取り時間の説明できたバラつきの約9割が組合せ由来で、なかでも品種Rは、担当機会が3ヶ月で5回にとどまるDさんだけ所要時間が他5名平均の2.3倍になっています。
- 不良率に作業者間の統計的な差は認められません(p = 0.93)。品種Rの段取りをペア作業で10回ほど経験すれば、1回あたり約26分(期間平均比で約50%短縮)まで下がり、他5名の水準(平均22分)に並ぶ見込みです。
分析対象
1,488ロット
生産 145,347個/稼働62日
設備IoT 約14.6万レコード
サイクルタイムの個人差
±8%
全体平均に対する最大乖離
(品種構成の違いを補正後)
最大のバラつき要因
作業者×品種
段取り時間の説明できた
バラつきの 90% を占める
不良率の作業者差
有意差なし
χ²(5) = 1.37, p = 0.93
(全体 1.05%)
① 加工スピードそのものの個人差は小さい
読み取れること
- 品種ごとに標準サイクルタイムが違うため、担当品種の構成の差を除いて「標準比」で比較しています。6名の平均は 92.5% 〜 108.1% の範囲に収まり、全体平均からの乖離は最大でも ±8.1% です。
- 箱の高さ(ロット間のバラつき)も6名でほぼ同じで、「速い人・遅い人」という構図は見当たりません。
- 後述する段取り工程の差(最大2.3倍=+133%)と比べると、加工スピードの差は一桁小さい要因です。
② バラつきは「人」ではなく「人 × 品種の組合せ」に出ている
読み取れること
- 24組合せのうち23組合せは標準比 92〜107% の範囲に収まっており、行(作業者)でも列(品種)でも濃淡の傾向は出ていません。
- 濃いセルは Dさん × 品種R の1つだけで、標準比 232%(52.0分)。同じDさんでも品種P・Q・Sは 94〜102% と平均的です。つまり「Dさんが遅い」のではなく、「この組合せだけ時間がかかっている」というデータです。
- 担当回数を併記すると理由が見えます。品種Rの担当は他5名が52〜60回に対し、Dさんは3ヶ月で5回。24組合せで担当回数が10回に満たないのはこの1つだけです。
- その5回の内訳は 92分 → 50分 → 37分 → 41分 → 39分。平均を押し上げているのは初回で、2回目以降はすでに大きく短縮しています。回数が足りていないだけ、というのがデータの読み方です。
表① 作業者×品種の平均段取り時間(下段は品種別標準時間に対する比/期間内の担当回数)
| 作業者 | 品種 P(標準 15.6分) | 品種 Q(標準 18.4分) | 品種 R(標準 22.4分) | 品種 S(標準 17.6分) |
| Aさん | 15.6分101%・84回 | 17.4分94%・56回 | 22.0分98%・60回 | 17.1分97%・48回 |
|---|
| Bさん | 15.2分98%・62回 | 19.1分104%・69回 | 23.2分103%・53回 | 17.9分102%・64回 |
|---|
| Cさん | 14.5分93%・68回 | 19.3分104%・62回 | 20.6分92%・52回 | 17.6分100%・66回 |
|---|
| Dさん | 15.8分102%・108回 | 18.7分102%・73回 | 52.0分232%・5回 | 16.6分94%・62回 |
|---|
| Eさん | 15.6分101%・65回 | 17.0分92%・60回 | 21.8分97%・54回 | 18.1分103%・69回 |
|---|
| Fさん | 16.6分107%・61回 | 18.9分102%・65回 | 23.8分106%・55回 | 18.4分105%・67回 |
③ 段取り時間を決めているのは「その組合せを何回やったか」
読み取れること
- 横軸に「その作業者がその品種の段取りを経験した累積回数」、縦軸に段取り時間の標準比をとると、作業者・品種を問わず1本の習熟曲線にきれいに乗ります(近似式:標準比 = 98% + 308·n−1.09)。
- 2回目で標準比 243%、5回目で 151%、15回前後で 115% に収束します。Dさん × 品種R(オレンジ)は累積1〜5回という曲線の左端にあり、曲線から外れた位置ではなく曲線どおりの位置にいます(1回目92分 → 5回目39分)。
- 期間内にも習熟が観測できています。Cさん × 品種Q は最初の5回が平均24.0分、直近5回が18.1分(25%短縮)。習熟は経験回数さえ積めば同じように進む、というのがこのデータの示すところです。
④ 不良率には作業者間の差がない
読み取れること
- 6名の不良率は 1.00% 〜 1.08% に分布し、95%信頼区間はすべて重なります。カイ二乗検定でも χ²(5) = 1.37、p = 0.93 で、差があるとは言えません。
- 担当品種の構成を全体と揃えて標準化しても順位はほとんど動かず(0.98〜1.09%)、品種構成の偏りが差を作っているわけでもありません。
- 段取りに時間がかかっているDさん × 品種Rについても、品質面の悪化は確認できませんでした。時間はかかっても、押さえるべき点は押さえられているという読み方になります。
表② 作業者別の不良実績(標準化不良率=全体の品種構成に揃えて計算した値)
| 作業者 | 不良/生産数 | 不良率 | 95%信頼区間 | 標準化不良率 |
| Aさん | 258/23,945 | 1.08% | 0.95〜1.22% | 1.09% |
|---|
| Bさん | 257/23,704 | 1.08% | 0.96〜1.22% | 1.07% |
|---|
| Cさん | 246/23,992 | 1.03% | 0.91〜1.16% | 1.02% |
|---|
| Dさん | 260/25,983 | 1.00% | 0.89〜1.13% | 0.98% |
|---|
| Eさん | 252/23,894 | 1.05% | 0.93〜1.19% | 1.06% |
|---|
| Fさん | 257/23,829 | 1.08% | 0.96〜1.22% | 1.07% |
⑤ 記録のタイミングが揃っていなくても結合できる
読み取れること
- 日報は人が分単位で丸めて入力するため、設備が記録した実際の信号とは数分ずれます(この例では開始が −7分46秒、完了が +7分53秒)。単純な時刻の一致では突合できません。
- AIは「段取り信号 → サイクル信号の連続 → 停止」という設備側のパターンと、日報側の品種の切替順・数量を突き合わせて、どの日報行がどの稼働区間なのかを推定して結合します。
- 結合できると、日報にしかない「誰が・どの品種を」と、設備にしかない「段取りに何分・不良がいつ」が1本のレコードになり、①〜④の分析がはじめて成立します。
提案する打ち手
いずれも「能力を上げる」ための施策ではなく、習熟機会の配り方を変えるための施策です。
打ち手 1品種Rの段取りペア作業(1〜2週間)
品種Rの段取りを、経験の多い作業者とDさんの2名体制で10回程度実施します。既存の生産計画上、品種Rは3ヶ月で279ロットあるため、日程の追加なしで組み込めます。
推定効果:Dさんの品種R段取りは期間平均 52分(初回92分を含む/直近3回は37〜41分)。習熟曲線から累積15回相当に到達すると 1回あたり約26分 となり、期間平均比で約50%、直近水準比でも約3割の短縮。他5名の平均22分とほぼ同水準になります(推定幅 45〜55%)。
打ち手 2担当回数の下限を決めた配置ローテーション
「1人あたり各品種を四半期に10回以上」といった下限を配置ルールに入れると、今回のような低頻度の組合せが生まれにくくなります。品種Rを任せられる人数が5名から6名に増えると、繁忙期の配置の自由度が上がります。
確認できたこと:24組合せのうち、担当回数が10回未満なのは 1組合せのみ。下限ルールで塞げる範囲です。
打ち手 3同じデータでの効果測定を自動化
本レポートと同じ集計を毎月自動で回し、Dさんの品種R段取りが習熟曲線どおりに下がっているかを追跡します。人手の集計作業は発生しません。
測定指標:作業者×品種の平均段取り時間(標準比)と累積担当回数。目標は「曲線どおりに下がっていること」で、他者との比較は行いません。
本分析は個人の評価・査定を目的としたものではありません。数値はいずれも配置と習熟機会の設計に使うことを前提としています。
このレポートの作られ方
入力は2つだけです。基幹システムの日報(誰が・いつ・どの品種の加工を開始/完了したか、数量、不良数)と、設備IoTの時系列データ(段取り信号、サイクル信号、不良信号を1秒周期で記録)。この2つはそもそも別のシステムで、記録のタイミングも粒度も揃っていません(日報は人が分単位で丸めて入力、設備は秒単位の実時刻)。AIは時刻の完全一致に頼らず、設備側の信号パターンと日報側の品種の切替順・数量を突き合わせて、どの日報行がどの稼働区間に対応するかを推定して結合します。この突合ができれば、あとは自動です。結合済みデータからの集計、外れ値の検出、習熟曲線の当てはめ、統計検定、作図、そして本文の執筆までAIが一括で行い、生成にかかる時間は数分です。月次で回しても、集計担当者の作業時間はゼロのまま同じ品質のレポートが出続けます。
基幹システム日報+設備IoT時系列→
AIによるタイムライン突合→
集計・統計検定・曲線当てはめ→
作図→本文執筆→レポート(数分)