— スリーアップ・テクノロジーでの半年間を振り返る —

はじめに

こんにちは。2025年10月から2026年3月まで、約半年間スリーアップ・テクノロジー株式会社でアルバイトをしていました。

この記事は、「スリーアップでのアルバイトってどんな感じ?」 という後輩向けの体験記です。三上さんから「正直ベースで書いて」と言われたので、面白かったことも、しんどかったことも、そのまま書きます。

先に結論だけ言うと、「前例のないことに突っ込んでいく経験がしたい人」にはめちゃくちゃ良い環境 でした。


どんな会社?どんな仕事?

スリーアップ・テクノロジーは、AIやIoTを活用して製造業の現場課題を解決している会社です。いわゆる「AI作ってみました」で終わりじゃなくて、実際に工場の現場で動くものを作る というところが特徴です。
ハイエンドなGPUなど、AIをすぐ試せる環境が用意されていて、AIに興味がある人には再考の環境です。
働き方はオフィス出社が基本で、工場の現場に行くこともありました。自由に任せてもらえるスタイルで、良くも悪くも放置されることはなく、でも過度に管理されることもなく、ちょうどいい距離感でした。


半年間でやったこと

半年間で関わったプロジェクトはコードを書いたり、AIモデルのプロンプト設計をしたりと、かなり幅広くやらせてもらいました。

工場データ収集システム — 一番印象に残ったプロジェクト

工場の設備からセンサーデータを取得して、AIで日次レポートを自動生成するシステムです。InfluxDBから1分刻みの時系列データを引っ張ってきて、LLM APIでレポートを作り、インフォグラフィック画像まで生成して、メールで自動配信するところまでを一気通貫でやります。

個人的に面白かったのは CSV圧縮 の部分。1分刻みのデータをそのままLLMに投げるとトークン数が爆発するので、同じ状態が続く区間をまとめて圧縮する仕組みを入れています。最大99%以上のトークン削減ができたのは、地味だけど達成感がありました。

対象設備のバリエーションが多くて、それぞれの設備の特徴をLLMへ投げる仕様に落とし込む作業は結構大変でしたが、製造業の現場のリアルに触れられた のは貴重な経験でした。

ロボットアーム × AI — SAM3ピッキング

ロボットアームで物をピッキング(つかんで移動させる)するシステムです。

SAM3セグメンテーション のほうは、Meta社のSegment Anything Model 3を使って、製造ライン上のカメラ画像から対象物を検出するWebシステム。FastAPIとDockerで動かして、検出した位置情報をロボットアームに渡します。ファインチューニングの仕組みも組み込んであって、現場の画像で追加学習できるようになっています。

正直、ファインチューニングもロボット制御もそれまでやったことがなかった ので最初はびっくりしましたが、やってみたら意外となんとかなる。この「なんとかする力」——突破力が鍛えられたのは、この半年で一番成長した部分だと思います。

領収書OCR — 実用的なツール開発

カメラで領収書を撮影して、AIでテキストを抽出して、CSVで管理するブラウザツール。実務で使うものを作る という経験ができたプロジェクトです。
利用者のストレスのないUIにするために並列実行やわかりやすいシンプルなUIにするなどの工夫ができました。


正直しんどかったこと

前例がない、マニュアルもない

一番しんどかったのは、やることのほとんどに前例がない こと。「AIで工場のレポートを自動生成する」「LLMでロボットを動かす」——どれも世の中的にもまだ確立されていない領域で、ググっても答えが出てこないことが多かったです。今のAIで、できるのか試すという依頼もあり対応力が求められます。

結果的に、AIをフル活用して仕様書やコードを書くスタイルになりました。AIの力を最大限引き出しながら、社会実装レベルのものを作り上げるという経験は、逆に言えばこの環境でしかできなかったと思います。

技術の幅が広すぎる

ロボット制御、InfluxDBのクエリ、Docker、FastAPI、各種LLM APIの使い分け……。1つのプロジェクトの中でも使う技術スタックが多岐にわたるので、毎回キャッチアップが必要でした。ただ、おかげで 「知らない技術でもとりあえず飛び込める耐性」 はついたと思います。
また、最新のAIを出てすぐ使って納品までもっていく胆力を間近でみられて楽しかったです。


この経験で得られたもの

半年間を通して一番大きかったのは、「突破力」が上がったこと です。

大学の授業や研究だと、ある程度やり方が決まっている中で進めることが多いですが、ここでは正解がない状態から自分で調べて、試して、動くものを作るところまで持っていく必要がありました。ファインチューニングもロボット制御も、やる前は「自分にできるのか?」と思いましたが、実際にやってみたらできた。この成功体験は大きいです。

あとは、AIを道具として使い倒すスキル 。プロンプト設計から仕様書作成、コーディングまで、AIとの協業が当たり前の働き方を体験できたのは、これからの社会人生活でも確実に活きると思います。


これからアルバイトする人へ

スリーアップでのアルバイトは、正直「教えてもらう」タイプのインターンとは違います。自分で考えて、自分で動いて、わからなかったら自分で調べる。その代わり、やりたいことはやらせてもらえるし、任せてもらえる

こんな人には合うと思います:

  • AIやIoTに興味があって、実際に動くものを作りたい人
  • 前例がないことに挑戦するのが好きな人(または、好きになりたい人)
  • 製造業の現場というリアルな環境でAIを使ってみたい人

逆に、手取り足取り教えてほしい人や、決まった作業だけやりたい人には、ちょっとキツいかもしれません。


おわりに

半年間、本当にいろいろな経験をさせてもらいました。「やってよかった」と思える半年でした。

三上さん、ありがとうございました。